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食品科学科

食品基礎系

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食品科学の基礎分野として、NMRや質量分析装置などの分析機器を用いた食品成分の検出および定量を行い、さらに食品成分の機能性や栄養素としての役割に関する新たな知見を得ることを目的とした研究を進めます。これらの研究を通じて、農産物や海産物を含む食品の高付加価値化に役立てます。

生体分子機能学分野

低分子から高分子に至る種々の生体分子やその集合体の様々な機能や相互作用を、有機化学的および物理化学的手法により解析し、食品の新機能開発や新たな製造法開発への応用について研究します。

食品分析学分野

各種理化学機器の原理の理解と技術の修得を行い、天然資源の成分、物質の構造、生体分子との相互作用を解析することで、安全かつ高付加価値の食品の開発を目指すための基礎的な研究を行います。

食品栄養学分野

食生活と健康、栄養と疾病など栄養学全般について総合的知識を修得し、疫学的調査による栄養状態の把握、動物実験による栄養評価を行いライフサイクルにおける栄養学上の諸問題を解明、疾病別や老人用食品、栄養素強化食品などの研究開発を行います。

食品化学分野

食品成分全般に関する知識と技術を修得し、食品成分の迅速測定法の開発を行うとともに食品成分の生体調節機能を解明し、疾病予防や健康保持機能を持つ食品の研究開発を行います。

研究クローズアップ

大人数クラスでのアクティブラーニングへの取り組み(食品基礎系 生体分子機能学分野)

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小椋 賢治 教授

最近の教育現場では、教員による一方通行の講義型式の授業とは異なり、学修者の能動的な参加を取り入れたアクティブラーニングが盛んになりつつあります。アクティブラーニングを導入すると、論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力を養うことができます。アクティブラーニングの方法としては、グループワーク、プレゼンテーション、体験学習などが挙げられます。いずれも少人数クラスでは実行可能ですが、100名を超えるような大人数クラスでは一方通行の講義型式をとらざるを得ないと、一般的には思われています。私は、一年次向け教養教育科目「有機化学概論」(履修登録者141名)でアクティブラーニングに取り組んでいます。

私が導入したのは、ハーバード大のマズール教授が考案した「ピアインストラクション」です。この方法は、あるトピックについて短い講義をおこない、その後、コンセプテストという多肢選択問題を出題します。学生はクリッカー(小型投票端末)を使って回答を送信し、その結果はリアルタイムで集計されてスクリーンに投影されます。この時点では教員は正答を教えません。学生は集計結果を見ながら、なぜその選択肢を選んだのか、隣席の学生と議論します。そして、同じ問題で二回目の投票をおこない、正答率が上昇すれば、議論の効果があったことになります。最後に、教員が解説します。

ピアインストラクションの授業を実施して、学生にアンケートをとりました。「参加型の授業で楽しい」「みんなの回答がリアルタイムでわかっておもしろい」「眠くならない」といった意見が多く、概ね好評なのですが、「予習してないとついていけない」という声もありました。今後は、大人数クラスでのアクティブラーニングをさらに磨いていきたいと思います。

今年度は全学研究プロジェクト「アクティブラーニングの実践への取り組み」が採択されており、担当者全員で智恵を出し合いながら授業改善に向けて活動しています。

いろんな食品をもっと科学的に研究してみませんか?~加賀レンコンとグルテンフリー米粉パンの場合~(食品基礎系 食品素材科学分野)

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本多 裕司 准教授

加賀レンコンは石川県で良く見かける加賀野菜の一つです。加賀レンコンを使った料理は「モチモチ感」や「粘り」が良いと言われています。レンコンは水分を除くと半分以上が澱粉なので、加賀レンコンから得られた澱粉の性質を詳しく分析すれば、加賀レンコンの食感の良さを解明できるのではないかと考えました。茨城県産レンコンと加賀レンコンの澱粉の性質を比較分析してみたところ、加賀レンコンの澱粉の粒子が大きくて、糊化しやすいという事がわかってきました(J. Appl. Glycosci. 61, p27 (2014))。現在、生産農家の方に協力してもらい、加賀レンコンの粘りの良さの原因について、さらに追求しています。

また、グルテンを含まない米粉だけで焼いたパンの品質改良にも取り組んでいます。小麦に含まれるタンパク質は水を加えてこねると、グルテンというタンパク質の網を作ります。発酵によってふくらんだパンは、グルテンがなければ焼いた時にしぼんでしまいます。グルテンを添加しないと米粉パンもふくらまないのですが、それだと小麦(グルテン)アレルギー患者の方は食べることができません。様々な糖や酵素を添加した結果、タンパク質を分解する酵素を添加すると柔らかくてふっくらした米粉パンを焼くことができる事がわかってきました(J. Cereal Sci. 61, p41 (2015))。いま、米粉のタンパク質と澱粉に着目した分析を進めているところです。

これらの研究をする前は、試験管やフラスコなどを使って酵素と糖を分析する研究を私はしてきました。フードプロセッサーを使ってレンコンをすりつぶしたり、オーブンでパンを焼いたりするとは全く思いもよりませんでした。しかし、今までに培ってきたアイデア次第で学術的に研究を進める事ができるものです。研究室に所属する前には考える力を付けるために、文系理系を問わず幅広い知識を身につけておくことが大切だと思います。いろんな事を学んだら、おもしろくて誰もやっていない本物の研究を一緒にしましょう!

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